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Racing After Midnight / HONEYMOON SUITE
火薬バカ一代 ★★★ (2025-09-09 01:24:14)
カナダが誇るHONEYMOON SUITEが、VAN HALEN等との仕事で知られるテッド・テンプルマンをプロデューサーに迎えてレコーディングを行い、’87年に発表した4thアルバム。アメリカでは今一つの成績に留まるも、本国では相変わらずビッグ・セールスを記録しており、GUNS N’ ROSESブレイク前夜、ポップ・メタル全盛期にぎりぎり滑り込んだ本作辺りまでがHONEYMOON SUITEの(一先ずの)黄金時代…ということになるのかな。
「ハネムーン」で「スイート」という全くメタルっぽくない響きのバンド名ゆえ、当初はまるで食指が動かなったのですが、個人的に愛して止まないアクション映画『リーサル・ウェポン』の主題歌“LETHAL WEPON”を歌っていたのが彼らだったと知ってから俄然興味が湧き、同曲を収録する本作を購入。したらばこれが、ゴージャス感を増した音作りのもと、キャッチーなシンセとエッジの効いたGとをバランス良くフィーチュア、よりハードかつダイナミックに躍動するポップ・メタルの力作に仕上がっていたという。
爽やかに弾む②、哀メロがFOREIGNERを彷彿とさせる③、Keyによる技ありのアレンジを織り込んで疾走する個人的に本編最推しの名曲⑤、フックの効いたメロディにジョニー・ディー(Vo)の熱唱が映える⑥といった、アメリカンなポップ・センスと仄かな哀愁を孕んだ欧風メロディとが見事に調和した、まさしくカナダ産メロハーの真骨頂というべき楽曲のハイクオリティっぷりを前にすると、当初お目当てだった筈の“LETHAL~”が少々霞んで聴こえてしまうぐらいですよ。
国内盤が廃盤のまま放置されているのが惜しまれてならない、願・再発な名盤です。
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