この曲を聴け!
The Morning After / TANKARD
失恋船長 ★★★ (2025-09-07 03:32:35)
初期スラッシュメタルを代表するバンド。特に欧州では熱狂的なファンを抱える大ジョッキ軍団。初期のスラッシュメタルには、彼等のようなファニーさ、そいう取っつき易さというのはあった。まぁ90年代以降のモダンヘヴィネス以降&グランジ/オルタナムーブメントは、シリアス化、リアルな社会構造や問題提起など、政治的な面を掘り下げり彼等のようなファニーさが、イマイチ受け入れられない時代もあったが、ワタクシは日本人で英語はサッパリ、洋楽を何十年も聴いていますが、英語の訛はサッパリ分かりません。
それだけに歌詞なんてどうでもいいのですが、このバンドの魅力を押し上げたのは間違いなく1988年にリリースされた3枚目のアルバムだろう。
世界的に盛り上がるヘアメタルムーブメント、スラッシュメタルはアンチテーゼのようや役割も担っていたのだが、結局は錬金術の世界へと溶けていく。
そういう意味でも、個人的には、80年代だからこそ登場した有象無象のバンド群に惹かれるのだが、ドイツの酔いどれスラッシャーはアメリカのバンドほど、認知度は上げられなかった。ピュアスラッシャーからの支持は絶大だが、まぁBURRN!から愛させなかったからね。伊藤政則とかは、METALLICAがアメリカのラジオステーションで火がついたのを早めに察知してから態度を改め、METALLICAを認めましたみたいな空気が出来上がってから変わっただけで、スラッシュメタルに対する偏見。メタルとパンクの融合。そういう亜流が現れたという見出しが強かった。
24年のヴァッケンのステージに登場したタンカード。サビーネ・クラッセンとコラボしたりと、彼等の楽しいステージは健在だった。
今作における最大の魅力。それはパンクロック上等な親しみやすさと攻撃性、折り重なるリフの嵐、それは速射砲の如き破壊力を持ち、打ち鳴らされるヘヴィグルーブが圧倒的なパワーを持って聴き手をねじ伏せる。
その想像力豊かな音楽性は疾走感で推しまくるだけではない創意工夫の賜物である。このバンド特有のユーモア、そのユニークなキャラを生かした爽快感が視聴感の良さに繋がるのだろう。徹頭徹尾拘りぬいたスラッシュメタル愛に溢れたスピードナンバーの数々、上等なバカを真面目にやり切る彼等のスタイルは、何者にも変わらない強い精神性が音に宿っている。
付け焼き刃ではない音楽性。1stと2ndのいいとこ取りと言える完成度の高さに唸る。
→同意