この曲を聴け!
Passion and Warfare / STEVE VAI
失恋船長 ★★★ (2025-09-04 09:50:15)
今思えばスティーブ・ヴァイがALCATRAZZに参加したというのは奇跡的な出来事ですよね。典型的なハードロックギタリストではないと寝言をいう人に知ったかぶりヘクトパスカルを吹かす、雑誌大好き人間に出会うことは度々あるが、一番驚いたのはWHITE SNAKEの加入だったろう。ジョン・サイクスとスーパーアメリカンナイズドヘヴィロックをやり、アメリカで売れてやるぞとブリティッシュロックを捨てた男の次作に参加。日本のメディアは攻撃しましたよね。まぁBURRN!編集部の一部なんですけどね、その威光に乗っかるアホウがホラッチョ台風を発生させた、こちらからすると、脳みそがニワカ知識に浸水しているなと大笑いとなるのですが、好き嫌いの好みでの批評ではなく、雑誌のレビューに乗っかる都市伝説に人生を全ベットするのは憐れである。
WHITE SNAKEが売れなかったのは時代の流れ、ムキムキマッチョなAV男優みたいになったカヴァーデイル。歌い方も変わり心まで整形したのかといいたくなるような作品だった。ヴァイがもたらしたもの、それは多くのハードロックギタリストに多大なる影響を与えた。こういうプレイを導入して良いのか、この音作りはなんなんですか?デイヴィッド・リー・ロスに参加したアルバムでも、その異彩ぶりは目覚ましく、これほどハードロックギタリスト(死ぬほどカッコ悪い言葉だなぁ)にとっては寝る子を起こしたろう。
ロックを聴き続けるだけの永遠のニワカ、万年童貞では、このような高レベルのギタリストに触れても何にも感じないだろう。しかし、しっかりと音楽を聴き、名前で良し悪し、ましてや雑誌のレビューに全乗っかりの人生をベットしない良識のあるロックマニアには、必ず心に引っかかるモノがあったでしょうね。それは今作の成功にも繋がっています。
この作品以前と以降ではハードロックギタリストにもたらした改革、影響力というのは計り知れない。所謂マニアックな面もあるのだが、それ以上に特筆すべきは五感を鋭く刺激するエモーショナルな響きだろう。ギタープレイを突き詰めたアルバム。90年代の頭にとんでもないアルバムを世に送り出した。
これインストアルバムなんだけど、そういう次元を越えているんですよね。凄いのよ。ギターが歌い話しかけ、そして縦横無尽なのよ。イマジネーションという言葉を具現化したのよね。これほどエモーショナルな響きはないのよ。
WHITE SNAKEを機械化させた音にしたのはヴァイだ。それがあのアルバムの批評だったが、それは大間違い。今作を聴き、そう思うのであれば、ワタクシはそういう人間とは付き合えない。典型的なハードロックギタリストなんて言葉はないし、そんなヤツはいない。
大谷翔平を典型的や投手ではない。典型的な野手ではない。典型的な野球選手ではない。スーパースターだという表現はあってもいいが、適切ではない。典型的ななどと枠を作り決め込んでいる時点で、もうロックじゃない。典型的な永遠のニワカである。こういう奴らが一番タチが悪いのでね。
→同意