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SHATTERING REFLECTION (2022年)
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SHATTERING REFLECTION
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解説 - SHATTERING REFLECTION
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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2022-06-20 23:15:27)

これまでに3度の来日公演を敢行する等、今やベルギーを代表するHMバンドへと成長を遂げた感のあるEVIL INVADERSが、プロデューサーにFLESHGOD APOCALYPSEのメンバーであるフランチェスコ・パオリとフランチェスコ・フェリーニを招聘してレコーディングを行い、'22年に発表した3rdフル・アルバム。
積極的なツアー攻勢と、折からの新型コロナウィルス感染症蔓延による世界中の混乱が重なって、前作リリースから5年ものブランクが空いてしまいましたが、ジョーのハイピッチ・スクリーム、カミソリGリフとタイトなリズムとが、一糸乱れぬ統制のもとで突っ走るテクニカルなスピード・メタル・サウンドは健在。その一方で、よりメロディックに歌うようになったVoといい、スピードは抑え気味にして、ダイナミズム演出にこれまで以上に気の払われた構成といい、前作あたりから顕著になった正統派HMスタイルへの接近も更に押し進められています。これについて「曲調の幅が広がった分、Voの力量不足が気になる」との指摘もあるようですが、確かに決してテクニカルなタイプではないものの、持てる力全てを振り絞るような熱唱ぶりには個人的には心動かされずにはいられませんし、特にバラード⑤における劇的な盛り上がりは彼の絶唱あったればこそじゃないかと。
インストの小曲と重厚なミッド・チューンが連続するため、やや尻すぼみな印象を受けてしまう本編ラストの流れに若干の疑問を感じつつも、切れ味鋭いスピード・ナンバーを要所に配して小気味よく畳み込む本編尺は、スッキリとタイトに40分台。新味とらしさがバランス良くブレンドされた、ブランクの影響を全く感じさせない快作です。




2. 失恋船長 ★★★ (2025-08-31 14:52:43)

前作から感じさせてくれたスラッシュメタル馬鹿一代からの脱却。その国深き味わいが、強靱なサウンドを伴い劇的に展開する様に目を細めるのですが、今作のオープニングナンバーから、その魅力は炸裂。華麗なるギターワークと疾走感溢れるドラマ、一気に駆け抜けるだけではない工夫がオープニングナンバーとしては完璧に聴き手の想像を超えてきた、例えるならばJPのPAINKILLERのようなインパクトを誇る。
だからこそ②ような楽曲が映える。
全てにおいてテンションの高い演奏と隙の無いアレンジ、その音圧は破壊力だけではない緻密さがあり、純粋なるスラッシュメタルファンにとってはもの足りなさはあるだろうが、このバンドが一つも二つも上のステージに駆け上り、新世紀の正統派サウンドとして高らかに打ち鳴らされている。

ベルギー=辺境などと舐めてかかると大やけどをするだろう。日本などヴィジュアル重視のガールズメタルムーブメントで食いつなごうと、スケベ根性を丸出しの間に、経済のみならず音楽の面でも世界から取り残されそうだ。

緩急を効かせた構成は泣かせのヘヴィバラード③の登場により、彼等のターゲットが見えてくるようだ。懐かしくヘヴィメタルサウンド。それは20000年というフィルターを通しているが、彼等ほど誠意のある音を出しているバンドはいない。キレまくるギターサウンドは柔軟なプレイスタイルを見せつけ、バンドサウンドを巧みにコントロール。そこに鉄壁のリズムセクションが覆い被さり、過激なスタイルを増強。④のようなスピードナンバーで一気呵成に攻め上がる姿にグッとくる。でも⑤では、またドラマティックな曲をかましてくるとは驚きだ。

今作最大の功労者。それはシンガーの成長に尽きるだろう。幅広い楽曲を柔軟に受け止め、逆にバンドサウンドのスリム化、その引き締まったタイトなメタルサウンドを、彼も操縦して見事に乗り込ました。屈曲なるメタル、やはりPAINKILLER時代のJPがいた、真のメタルサウンドを彼等は堂々と披露してくれた。アッパレである。

知性を蓄えた獰猛な肉食獣の如き、獲物を物色する冷徹なる眼差し。ダークヒーロー然として色彩美豊かな音楽性、多方面から支持されるべきバラエティ豊かなサウンドに仕上がった。今作は彼等のターニングポイントとなるだろう。早くも次のアルバムが聴きたいという強烈な渇望感を覚えた。ワシはこの侵略者達に完全に制服されました。



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